研磨作業の結果は諸条件により大きく異なり、決して一様ではありません。シンプルな道具が使い手によって多くの表現を生み出すように、研磨も使い手しだいで得られる結果はさまざまです。ここで紹介する作業の様子は一例に過ぎません。いろいろな使用方法を試す場合には、安全に十分注意して取り組まれるようにお願いいたします。
以下では、Q&A形式で、当ステュディオの「ガラス研磨剤セット」の使用法などについてご紹介いたします。(画像多用につき表示が遅くなっております)
中央鹿の上に彫られた線と文字はテストのためにかなり強く描いたものです。広く研磨を行いその効果を御覧いただきます。
なお、この操作には仕上げの段階で、小さなフェルトバフではなく、大きなドリルとバフを用いました。

ガラス本来の艶を示すところまで磨きこみます。
カメラでは拾いきれないのですが、実際には上の写真の状態ではまだ、ガラスに絵柄は存在しています。肉眼でもほとんど気がつかないのですが、
太陽光線で影を映すと、それがはっきりと分かります。(この影を落とす方法はガラスの器を買うときにも役に立ちます。)

もうひとつ別の使い方です。ガラス器が他のガラス器とこすれて白い傷がついてしまった。このようなケースでも用いることで傷を目立たなくすることができます。
下が研磨前、上が研磨後です。この研磨に要した時間は五分程度です。

性能試験中の写真も一枚御覧下さい。すりガラスの研磨は短時間で結果が見えるテスト法です。これらは五分程度の研磨で得られた結果です。

数字のしたの渦巻きのうち右の二つを消します。@とは違ってポイントアタックです。右の渦巻きは丸く描かれています。小さな力で描いた線に相当。
真ん中は四角い渦巻きで、力強い線に相当します。
スポンジの囲いを造ります。こうすると液の無駄が少ないのです。しかし、フェルトバフは狭い範囲でしか動けないので場面によってはこの方法を使えないことがあります。
特に軟質ガラスを研磨する場合、このスポンジがあるためにフェルトバフを動かさないまま研磨すると、そこだけが深くえぐれてしまいます。ご注意を。
研磨剤を入れるとスポンジに吸われてしまうのですが、それも役に立ちます。液が足りなくなって乾いてきたときにスポンジを指で押すと、液が出てくるのです。
それでも、勢いあまってフェルトがスポンジを跳ね飛ばしてしまうこともあります。これはいたし方ありません。
こんな感じで保持するのが基本です。押さえつけると摩擦熱を生じるし、フェルトは跳ねるし、良いことはありません。
で、消えたところです。一箇所20から30分かかっています。実際には狭い範囲でフェルトを動かさないで研磨したので、研磨箇所が窪地の様に凹んでいます。
凹んだ窪地をとらえます。このくらい凹むと肉眼でもわかります。
曲面を研磨する場合はこの囲いが不可欠です。
ドリルで行っています。回転数は上のルーターの10分の一以下。やや時間がかかりますが、研磨は進んでいきます。
この研磨剤は、別に新しいものではなく、かなり昔から使われている実績のあるものです。必要があれば、製品安全シートも用意できます。この研磨剤は金属の酸化物からなるので、基本的には水に溶けると(溶けない成分もあります)アルカリ性をしめします。主要な成分は酸化セリウムです。ただ、純粋な酸化セリウムと比べると、この研磨剤のほうが性能は遥かに高く、他にもフッ素化合物など有効なものが入っているようですが、詳細な成分比率と化学式はメーカーも非公開です。なお、酸化セリウムは単純なやすりとしてだけでなく化学反応しながらガラスを削ることが知られています。
研磨剤の流通についてほとんど私たちは分かりません。この研磨剤を売りに出した理由は、この研磨剤が少量単位では購入出来なかったからです。最小の単位は20kg!個人が自分の作品を造るのに使ったとしても65gあれば十分と思います。個人で20kgは使いきれるものではありません。セリウム入りの性能の良い研磨剤を探しては見たのですが、私の知る限りでは見つかりませんでした。そこで、私たちがディストリビュートをしようと考えたのです。近くのDIYセンターで・・・ないと思います。
研磨液に十分水を混ぜていても、ガラスの種類によって研磨した場所に微かな傷が生じる場合があります。この現象を事前に防ぐには、同質のガラスか目立たない場所で試し磨きをするのが良いのですが、曇り上の傷が出来てしまったらどうすればよいのでしょうか。これは大抵フェルトがガラスに勝ってしまったために生じます。別のフェルトの布などを用意して、ちょっと濃い目に調整した研磨液をつけて、手作業で曇りの部分をこすってみてください。ラボで試している範囲でなのですが、大体これでフェルトに負けた初期の浅い傷は消えてくれます。じつは、この応用で、洗剤で落ちないしつこいガラスの汚れが大体除去できます。削ってるんだから当たり前ですが。

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